財団法人埼玉共済会福利委員から埼玉埼玉県方面委員への転換-方面委員制度の統一化と地域性の関わり-
橋本理子
民生委員の前身とされる、埼玉共済会福利委員から埼玉県方面委員への転換は従来の研究では連続するものと捉えられてきた。しかし、求められる人物像が変更され、その結果人員にも非連続があったことを「委員名簿」の比較から明らかにした。また、埼玉県において特徴的な実践を行ってきた福利委員が埼玉県方面委員に画一化されていく背景に、法の制定という国家からの一方的な押しつけだけではなく、住民の生活と積み重ねられた社会福祉実践が相互に影響を与え合いながら行われたことが確認された。
東京社会福祉史研究
第16号