「文作成時の気分の影響-気分一致効果と気分不一致効果-」
書くという認知的行動と気分の関連について検討し,特にネガティブな気分の際におこる気分不一致効果について,気分の調整を行うという観点から考察した。書くという行動は,記憶の再生過程などとは異なり,その行動を行っている最中に何度も自分の中で認知行動をモニターし修正していると考えられ,ネガティブな気分の調整がおこりやすい状況である可能性が示唆された。
心理学研究
第69巻
第6号